この夏、私たちは’85年式のVWヴァナゴンに乗って、ロッキー山脈西部をめぐるちょっとした旅に出ました。モンタナ、アイダホ、コロラドを走り回り、走行距離計には数千マイル(数千km)が加わり、重要な部品をいくつか交換し、車体は“ほんの少し”傾き、さらには一晩だけネズミの同居人まで迎えることになりました(ごめんね、Andrew)。まさに言葉どおりの意味で、“トラウトバム”のライフスタイルを満喫した旅でした。コロラドの流れの速い高山渓流から、モンタナの雄大なマディソン川まで、西部屈指のトラウトフィッシングを味わうことができました。釣りそのものも本当に素晴らしいものでしたが、この旅を実現させ、忘れられないものにしてくれたのは、経験を分かち合った人々とコミュニティでした。
コロラド川水系(コロラド州)
モンタナでじっくりと探索を楽しんだあと、私たちは再び旅に出ました。今度の目的地はコロラド州のフロントレンジです。まずはSAGEアンバサダーのRuss Millerと合流し、数日間のキャンプと釣りのために山へ入りました。
くねくねと曲がる未舗装路を夜遅くまで走ったあと、バンの中でぐっすり眠り、待ちに待った休息をとることができました。


初日は、切り立った崖と激しい急流のあいだを縫うようにコロラド川を釣り上がりました。2人で持ち込んだロッドは3本。ドライ&ドロッパーをセットしたTROUT LL 590-4、タイトラインのニンフィング仕様にしたESN 3100-4、そして大きな流れをスイングで探るためにシンクティップとストリーマーを組んだTROUT SPEY 3110-4です。この汎用性は釣果につながっただけでなく、その日の引き出しを何通りにも増やしてくれて、釣りをいっそう楽しいものにしてくれました。




大きな岩が転がる岸際を釣り上がり、次々と反応してくれるトラウトにキャストし続けた充実の一日を終え、私たちは腹ぺこでキャンプに戻りました。メニューはRuss自慢のホイル焼き。炭火でじっくり焼き上げたボリュームたっぷりの食事が、空腹を存分に満たしてくれました。もう一晩ぐっすり眠って、翌日も一日じゅう釣りをする準備は万端です。今度は山の上の小さなメドウクリーク(草原を流れる小川)を目指しましたが、その前に朝霧のなかで少しだけトラウトスペイを楽しみました。

登山口に着くとすぐに、その日の釣りが晴天、暖かな陽気、気軽なウェットウェーディングで始まるわけではないことに気づきました。サンドイッチで手早く腹ごしらえをしてから、ウェーダーと雨具を取り出してトレイルを登り始めました。その姿は、8月の小さなトラウトストリームに向かうアングラーというより、2月の冬のスティールヘッドリバーに挑むアングラーのようでした。それでも谷に入ると、一面に広がる野花と、ゆったりと流れる美しいクリークが私たちを迎えてくれました。

谷へ下りて何投かキャストしたとたん、霧と雨が上がり始め、高い峰々がその姿を現しました。色鮮やかに咲き誇る花々、雨に濡れて陽光にきらめく草、谷を縁取るように堂々と立ち並ぶトウヒやモミの林、そして私たちを取り囲むようにそびえる圏谷(カール)の山々。忘れられない光景でした。





谷を釣り上がるにつれて、釣りはますます良くなり、景色はいっそう壮大になっていきました。午後も遅くなって日が傾いてきたころ、ちょっと趣向を変えて“野球”をすることにしました。やり方を知らない方のために説明すると、ルールは簡単です。
1. 魚をバラしたら(掛け損ねたら)1ストライク
2. 3ストライクでアウト。次のアングラーと交代
3. フライを切られたらアウト。魚でも根掛かりでも同じ
4. おいしいポイントだけを選ぶのは禁止。すべてのポイントを釣ること
友人とまだやったことがなければ、今度一緒に小さなクリークを釣り上がるときにぜひ試してみてください。
数えきれない三振のうちのひとつ……。三振したっていいんです、みなさん。笑い飛ばすことだけは忘れずに。
太陽が山の端に近づき、夕方の光が黄金色に変わるなか、私たちは山を下りる前の釣りの時間を一分一秒まで味わい尽くしました。期待を裏切らない時間でした。


山と野花に別れを告げ、私たちは最高と呼ぶほかない2日間のトラウトフィッシングとキャンプの思い出を胸に帰路につきました。トラウトシーズンの振り返り、次回はコロラド州バサルトと美しいロアリングフォーク・バレーへ向かいます。どうぞお楽しみに。

原文:Trout Season 2019 - Russ Miller(Sage/SAGE・Far Bank Enterprises、2019年12月18日)
写真:SAGE・Far Bank Enterprises
日本語訳:Fly Fishing Outfitters WALTON

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