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雪の残る川でボートに乗りスティールヘッドを掲げるアングラー

ボートからのスペイキャスト

Pete Humphreys2016年4月20日

ミシガン州には、州を横切って五大湖へと流れ込む、澄んだ小川や川が迷路のように広がっています。ここには、スイングさせたフライに果敢に食らいつく、銀色に輝く元気なスティールヘッドが、特に秋に豊富に遡上してきます。ミシガンの西海岸で最も有名な大河川は、マニスティー川と、私のホームウォーターである「マイティ・マスキーゴン」です。この2つは「ボートの川」です。

ミシガンのガイドやアングラーは、平底のジェットボートやドリフトボートを使います。ランやプールでアンカーを下ろし、キャストの合間にボートを少しずつ下流へ下げながら、魚がついていそうなポイントを効率よく探っていきます。ここミシガンではスペイキャストが野火のように広まりましたが、ボートからのスペイキャストには、生徒やお客様にとっていくつかの難しさがあります。

ボートからのスペイキャストの長所と短所

ボートからキャストする利点のひとつは、キャスティングデッキに立つことで得られる高さです。多少形の崩れたDループでも許容されやすく、ファーストシンキングラインや重いフライをピックアップするのに大きなリフト力が得られます。欠点はアンカーの抜け(アンカーリップ)です。高い位置からキャストするため、キャストを台無しにする最大の原因は、フォワードストロークの前に水面に張り付いたラインを十分に残せていないことです。その結果「パチン」と鞭のような音が鳴り、20フィート(約6m)先にラインが山になって落ちることになります。

アンカーリップとは、フォワードキャストで「ストップ」する前にフライが水面から抜けてしまうことです。こうなるとロッドがまっすぐに戻って荷重が抜け、弱々しいキャストになります。アンカーは、フライ、リーダー、そして通常はフロントテーパーまたはシンクティップの一部が水面に張り付いた状態であるべきです。アンカーには2つの大きな役割があります。ひとつは、従来のバックキャストをして背後の茂みに引っ掛ける心配をなくしてくれること。もうひとつは、Dループの下側を水面に固定することです。アンカーがしっかり張り付いていなければテンションが生まれず、フォワードストロークでロッドを曲げることができません。アンカーは、ファイアリングポジションへスイープするあいだにも、フォワードストロークのあいだにも抜けてしまうことがあります。

これを克服するため、ボートからは非常にコンパクトなキャスティングストロークを使い、アンカーをよく見ながらキャストします。生徒にアンカーを見るように促すのは、優れた指導法です。テンポとストロークの長さをすばやく把握しやすくなり、恐ろしいアンカーリップを防ぐのに十分なアンカーを水面に残せるようになります。

タックルについて

五大湖のスティールヘッドは、西海岸の仲間ほど攻撃的ではないかもしれません。そのため私たちは通常、フルシンキングラインとウェイト入りのフライを使い、スイング中にストリーマーが浮き上がらないようにします。私の選択は、小さめのドリフトボートなら12.5フィート(約3.8m)の8番、広いジェットボートなら14フィート(約4.3m)までの8番です。RIO Scandi Versi TipシステムやRIO Skagit MAXのような、スカンジやスカジットタイプの現代的なショートヘッドが優れた選択肢です。どちらもインターミディエイトのボディを選べ、好みのシンクティップを足してフライを狙いの深さまで届けられます。長い従来型のスペイラインは、ここでは長すぎます。

風への対処

ボートで一人で釣るなら簡単です。風がDループとフライを自分から遠ざける側のボートの端からキャストすればいいのです。では、アングラーが2人いる場合はどうでしょうか。現実には、誰かがボートの「悪い側」に立つことになります。これはお客様にもガイドにも難しいだけでなく、危険でもあります。危険な風と対処できる風は区別しなければなりません。本当に強く吹いているなら、ガイドは場所を移り、風を防げるランか、都合の良い方向から風が吹くランを探すべきです。対処できる風であれば、私はより上級のアングラーに、キャストする側へ吹きつける難しい風を担当してもらうようにします。そして、じっくり時間をかけ、不安なキャストは途中でやめるように指示します。フライフィッシング全般に言えることですが、必ずサングラスと帽子を着用し、さらにレインジャケットのフードをかぶって防御しましょう。

ボートデッキの高い位置からなら、Dループを水面に叩きつけることなく、大きく横に倒したサイドアームのロッドポジションでもキャストできます。通常のキャストよりもアンカーを自分から遠くに置くと、フライを安全な距離に保てます。見栄えは良くないかもしれませんが、風の強い日にスタイル点を狙っているわけではありません。スティールヘッドの前に再びフライを届けられれば、それで成功なのです。少しでも不安があれば、私はアングラーにボートの「正しい側」から交代で釣ってもらうか、可能であれば1人を立ち込めるランに降ろして、ボートでは1人だけが釣るようにします。安全が常に最優先です。言い訳はありません。

風の強い日のもうひとつの厄介ごとは、余ったランニングラインの処理です。オールロックやスイッチ類、ティラーハンドルに引っ掛かったり、風に吹かれて足元に入り込んだりしがちです。私は底に重りの付いた折りたたみ式の落ち葉用バスケットを2つ買いました。これが大活躍で、多くのイライラを防いでくれるので、キャストが安定し、釣りも良くなり、楽しさも増します。このアイデアは、いつも時速30マイル(約48km)の風が吹いているフロリダキーズのソルトウォーターガイドである友人、Bruce Chardから拝借したものです。

川に浮かぶドリフトボートの上でロッドを振るアングラーと座って見守る同乗者
犬と一緒にボートのデッキからキャストするアングラー

ボート後方からのキャストを身につける

ボートの前方からは、上流側アンカー・上流側の肩で投げるキャスト、つまりサークルシーやスナップT、シングルスペイを使います。ボートの後方からは、下流側アンカー・下流側の肩で投げるキャスト――スネークロールとダブルスペイに限られます。

スネークロールとダブルスペイは、一人で釣るときにはとてもうまく機能しますが、2人でキャストするときには欠点があります。ダブルスペイのアンカーセットでは、ロッドティップが上流側、つまりボート前方にいるアングラーの顔のほうへ突き出されます——気分のいいものではありません。スネークロールはまあまあですが、上流から少しでも風が吹けば、顔にフックが刺さる危険があります。ダブルスペイもスネークロールも、アンカーポイントがキャスターの前方に落ちます。これはボートの前方で釣っている人にとっては厄介で、後方のアングラーのフライが、スイングを終えて真下流に垂れ下がった(ダングル)前方のアングラーのフライラインに引っ掛かることがよくあります。両者がしっかり声を掛け合い、タイミングを合わせてキャストすれば避けられます。しかし、たいていはうまく連携が取れず、キャストを一度や二度やり直したり、沈んだラインを持ち上げるために予定外のロールキャストを挟むことになり、すぐにリズムが崩れてしまいます。

ボート後方からのキャストとして最も優れているのは、「リバース・スナップT」または「リバース・サークルシー」です。セットアップの動きは通常のスナップやサークルキャストと同じですが、リポジションの動きを自分の下流側で、流れに対して直角に行います。アンカーを打ったボートの後方でラインが真下流に垂れ下がった状態から、ロッドをまっすぐ持ち上げ、ロッドティップをターゲットとは反対側へ引き、ボート後方の下流側で流れを横切るようにスナップまたはサークルの動きをしっかり行います。ロッドティップは下流側、ボートを越えて流れの中へと出し、ターゲットのほうを指す形で動きを終えます。フライはボートのすぐ後ろ、下流側に落ちるはずです。スイープで引き戻して「ホワイトマウス」(水しぶき)を生み出してロッドに荷重をかけ、アンカーポイントが抜けないよう注意深く見ながら、サークルアップしてファイアリングポジションに入り、フォワードストロークを行います。このキャストなら、同乗者のフライラインに引っ掛かることは決してありません。対処可能な上流からの風の中でも行え、ボートに2人のアングラーが乗って釣るときには、まさに唯一使うべきキャストです。

オーバーヘッドキャストも忘れずに

お客様の中には、ボートからでも常にスペイキャストにこだわる方もいます。技術を学びたいという気持ちも、それが正式なやり方だと感じる気持ちもあるのでしょう。私はボートからRIO Scandi Versi Tipシステムを使うのが好きです。インターミディエイトのボディと選べるシンキングティップにより、あらゆる状況に対応できる最も汎用性の高いシステムです。最近は以前よりもオーバーヘッドキャストを使うことが増えました。いいじゃないですか。背後に余裕があれば、アンカーを打ったボートのキャスティングデッキからツーハンドロッドで行うオーバーヘッドキャストは非常にパワフルで、楽に大きな飛距離が得られます。フライを極めて正確に落とせ、多くの場合、フライラインが完全にまっすぐに伸びて即座に釣りになります。魚は、あなたがスペイキャストをしなかったことなど気にしていないようです——結局のところ、それこそが本当に大切なことなのです。

冬の川で犬とともにボートに立つアングラー
ボートの上でスティールヘッドを掲げる二人のアングラー

原文:Spey Casting From A Boat(Pete Humphreys/RIO・Far Bank Enterprises、2016年4月20日)
写真:RIO・Far Bank Enterprises
日本語訳:Fly Fishing Outfitters WALTON

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