奇妙に聞こえるかもしれませんが、私は暗闇の中で釣りをすることに、とても心が落ち着く何かを感じます。視覚に頼ることは少なくなり、そのぶん聴覚と触覚にずっと頼るようになります。今では、私の一番好きな釣りの時間帯のひとつです。とはいえ、夜釣りの世界は、7年ほど前に第一子が生まれて釣りに出られる時間帯が変わるまで、考えたこともないものでした。新生児を迎えて多くの新しい責任が生まれ、「ゴールデンタイム」に釣りに出られる機会は減りましたが、釣りへの思いは相変わらず強いままでした。そこで、忙しい一日を終えて家族が寝静まったあとに、夜の釣りの可能性を探り始めたのです。夜釣りを楽しく、そしてより実りあるものにしてくれるヒントをいくつか紹介します。
下見
明るいうちに釣り場を下見できるなら、夜に戻ってきたときに大きな見返りがあります。下見をしておけば川底の構造を把握でき、夜にブラウントラウトが付く場所を見極めることができます。ブラウンは日中はプールの深い部分に付き、日が暮れると活発に捕食するためにプールのテールアウトや浅場へと下がってきます。また明るいうちに下見しておけば、障害物のないキャスト位置も確認できます。
服装
夜は虫がずっと多く、ノバスコシアでは特に蚊がたくさんいます。長袖の襟付きシャツを着て、首と顔を覆うRIOのサンバフを着用することを強くおすすめします。それに加えて、つば付きの帽子とクリアレンズのメガネを身に着ければ、万全の防御になります。
レッドライト
白色光と赤色光を切り替えられるヘッドランプを使いましょう。私は川まで歩く間は白色光を使いますが、川に近づいたら必ず赤色光に切り替えます。赤色光は白色光のように魚を驚かせることがなく、まぶしさも生じないので、消したあとに目がすぐ暗さに慣れます。白色光は虫も引き寄せ、顔の周りに群がってきます。釣りをしている間はライトをすべて消しておき、魚が掛かったときやフライを交換するときだけ、赤色光を点けるようにしましょう。
月齢と天候
夜にブラウントラウトを狙ううえで、月齢は重要なポイントです。一般的に最も釣れるのは、三日月(新月後の細い月)と有明月(新月前の細い月)の時期です。これらは最も暗い夜で、トップウォーターの反応もたいてい最高です。満月前後のふくらんだ月(十三夜月や寝待月など)、つまり月の大部分が明るく照らされている時期でも、トップウォーターの釣りは可能です。ただ、光が増えると魚が少し神経質になる傾向があるので、この時期は大きなニンフパターンを釣るのが好みです。満月は8つの月相の中で最も明るい夜なので、夜釣りで最も難しいタイミングです。光が増えることで多くの影ができ、魚がとても神経質になりがちです。とはいえ、リーダーを長くして小さめのニンフを使えば、何尾かのブラウントラウトを掛けることも可能です。こうした状況には、RIOのFluoroflexテーパードリーダーを強くおすすめします。ほぼ見えないプレゼンテーション、高い耐摩耗性、そして優れた結節強度を備えています。天候も要素のひとつです。ブラウントラウトを狙うなら、私は中程度から強めの風が吹く夜が好みです。そんな夜は、ブラウントラウトを驚かせる心配がないので、大きなトップウォーターパターンを釣ります。暖かい夏の夜は多くの虫のハッチを促し、草むらをネズミが走り回る音も聞こえてきます。風がほとんどない夜は、サイズ2〜6のニンフを釣ります。
フライパターン
夜に使うパターンはごく限られていますが、そのどれにも共通する特徴があります。暗い色であることです。暗い色は、ブラウントラウトから見てシルエットがよりはっきりするため、夜にははるかに効果的です。私が水面で使うパターンは、フォームのマウス、マドラー、そしてズー・クーガーです。これらをプールの浅場へキャストし、さまざまなスピードでストリップして戻してきます。水面下を釣るときは、サイズ2〜6のビーズヘッドのストーンフライ・ニンフを使い、ゆっくりとしたスピードでリトリーブします。

キャスティングとフライライン
大きなトップウォーターパターンやウェイト付きのニンフの場合、フライを狙いのゾーンに届けるには何度かフォルスキャストが必要です。フォルスキャストでラインを水面に落とさないようにしましょう。魚を動かし、驚かせてしまいます。フライを回収するときは、次のキャストのために早く水から抜きすぎないこと。できるだけ手前まで寄せてから、騒ぎを立てないようにそっと持ち上げます。私が好んで使うフライラインはRIOのInTouch Grandです。伸びが少ないので、かすかなアタリを感じ取りやすく、フッキングの反応も速く、ファイト中も魚をしっかりコントロールできます。さらにMaxCastコーティングにより耐久性も高められています。夜釣りに出かける前には毎回、RIOのWonder Clothでラインをクリーニングし、RIOのAgentXでドレッシングして、暗闇でもできるだけ楽にキャストできるようにしています。
リーダーの長さ
夜にトップウォーターパターンを釣るときは、7.5ft(約2.3m)のRIO Powerflex Plusトラウトリーダーを好んで使います。3X(9.5lb)をよく使うのは、倒木や水草の茂みなど水中の障害物から魚を引き離せるだけの強度があるからです。また、バイトの音が聞こえてラインが急に張ったときに、より素早いフッキングも可能になります。ニンフのように水面下のパターンを釣るときは、たいてい9ft(約2.7m)の3X Powerflex Plusを使います。

ウェーディング
夜釣りのときは、できるだけウェーディングしないようにしています。選べるなら、一段高い岸から釣ります。そのほうがキャストしやすく、魚を驚かせる心配もありません。どうしてもウェーディングする必要がある場合は、ほとんどの魚がプールの浅い部分にいて簡単に驚いてしまうので、できるだけその場から動かないようにしましょう。
ラバーネット
夜釣りで最も役立つ道具のひとつが、柄の長いラバーメッシュのネットです。私は折りたたみ式のものを使っていて、暗闇でも魚のランディングがずっと楽になります。私は岸から釣るのが好みなので、長い柄があるとランディングがはるかに楽で、水をかき回して他の魚を驚かせることもありません。
カメラの設定
釣行中に写真を撮るのが大好きです。うまく撮るためには、出かける前にカメラの設定を済ませておきましょう。私が準備しておきたい設定は、3秒のセルフタイマーと夜間用フラッシュ、そしてカメラに取り付ける小さなポケットサイズの三脚です。魚とファイトしながら暗闇でカメラをいじくり回すのは、あなたにはストレスに、魚には負担にしかなりません。

まとめると、夜釣りには難しさもありますが、とても大きな見返りがあります。ここで紹介したヒントをいくつか取り入れれば、楽しい釣行になる可能性がぐっと高まるはずです。
原文:Night Time Brown Troutin(Matt Dort/RIO・Far Bank Enterprises、2018年4月19日)
写真:RIO・Far Bank Enterprises
日本語訳:Fly Fishing Outfitters WALTON

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