1990年、アウトドアライターであり、自ら「フライフィッシング・バム(釣りバカ)」を名乗っていたJim Vincentは、望む品質のリーダーとフライラインを手に入れる唯一の方法は、自分で作ることだと決心しました。
そうしてJimと妻のKittyはRIO Productsを設立し、まずはカスタムメイドのリーダーの製造から始めました。それがやがて、RIOの代名詞となるフライラインへとつながっていきます。
ロッドの性能はそこに乗せるライン次第であることを知っていたJimは、当時生産されていたグラファイトロッドに合うフライラインの開発・設計に乗り出しました。RIOの裏庭ともいえるヘンリーズフォークやサウスフォーク・スネーク川といったフィッシャリーを舞台に、地元のトラウトアングラー、そして自分自身の具体的なニーズに応える独自のテーパーを持つラインを作り始めたのです。
Jimはパーミットやターポン、スティールヘッド、アトランティックサーモンを追うのも好きでしたが、彼が情熱を注いだのは、ヘンリーズフォーク、とりわけレイルロード・ランチ区間の手強いトラウトでした。ただし、それもドライフライを食っているとき限定です。Jimは川に入ることやキャストすることを考える前に、良いトラウトがライズするのを何時間も座って待ちました。トラウトを狙うときの彼の忍耐強さは驚くべきもので、ライズする魚がいないという理由だけで、一度もキャストしないまま川を後にすることもしばしばでした。
私がRIO ProductsでJimとKittyのもとで働き始めたのは1999年の終わりです。最初はマーケティング全般と展示会回りの担当として、その後、製品テスト、ラインの設計、教育的な役割も加わりました。Jimのもとで働いた年月の中で、彼は創造性にあふれ、人を刺激し、革新的な人物であると感じました——このスポーツと、RIOが世に送り出す製品に、とてつもない情熱を持っていた人です。私たちは一緒にBC州でスティールヘッドをスイングで狙い、地元アイダホやモンタナの川でトラウトを追い、ケベックでアトランティックサーモンを釣り、海ではボーンフィッシュ、パーミット、ターポンを追いかけました。Jimはキャストがうまく、優れたアングラーでしたが、常により上を目指していました。そうした釣行では、釣りの合間に彼のキャスティングの練習をし、彼は私にライン設計について教えながら、昔の素晴らしい話を聞かせてくれたものです。
Jimの人生と功績を称えて、私たちはElite Salmon/Steelheadの最新版に彼の肖像をあしらいました。このテーパーは、完成まで製品を引っ張った当人であるJimのお気に入りでした。彼が好んだ魚のひとつがアトランティックサーモンです。跳躍力だけでなく、気配を消したタックルと正確なキャストが求められるためにも、釣るのが難しい魚です。この釣りにはツーハンドのラインが有効ですが、Jimは特定の川や状況に対応する道具が欠けていることに気づきました。そこで、尽きることのない好奇心を持つJimは、新しいラインの開発に乗り出しました。スペイの奥深くに踏み込んだ末、Jimはシングルハンドのラインでも同じようなことができると気づきました——繊細かつ正確なライトタックルで、ボンバーをウェイキングさせたり、沈めたストリーマーをスイングさせたりできるのです。Jimが生み出し、現在のRIOのテクノロジーでアップグレードされたこのラインは、遡河性の魚をシングルハンドのスイングで狙うのに最適です。オーバーヘッドキャストにも、熟練したキャスター(Jimは間違いなくそうでした)によるシングルハンドスペイにも対応します。
今もJimの遺したものは生き続けています。彼とKittyが創り上げた会社は今もアイダホ州アイダホフォールズに拠点を置き、情熱と経験を兼ね備えたアングラーたちのチームが、世界最高のフライラインを設計し、生み出し続けています。

原文:Honoring Jim Vincent: The Elite Salmon / Steelhead Line(Simon Gawesworth/RIO・Far Bank Enterprises、2023年5月24日)
写真:RIO・Far Bank Enterprises
日本語訳:Fly Fishing Outfitters WALTON

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