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ヘリコプターの窓から見たブリティッシュコロンビアの山並み

RIO IN ACTION

RIO IN ACTION|ブリティッシュコロンビア州ディーン川

Patrick Kilby2021年10月4日

フライアングラーにディーン川の名を出せば、息をのむような峰々と、銀色に輝く健康で力強いスティールヘッドやキングサーモンの姿が思い浮かぶことでしょう。

RIOフライデザイナーのPatrick Kilbyが一生に一度の釣行の準備を進めていたとき、パンデミックが襲いました。2020年のディーン川のシーズンは中止になったのです。

そして2021年。釣行が実現するかどうかは、またしても不透明でした。予定していた旅の直前、カナダはワクチン接種済みのアメリカ人に国境を開くと発表します。ところがその直後、カナダの国境職員がストライキに入ると発表。これが、Patrickとディーン川の間に立ちはだかる数々の障害の始まりでした。同行するSean Visintainer(ワシントン州スポケーンのThe Silver Bow Fly Shopオーナー)とJoe Rotter(ワシントン州エレンズバーグのRed's Fly Shop共同オーナー)も、控えめに言っても気が気ではありませんでした。何度ものCOVID検査やセキュリティ上のトラブルを経て、ようやくチームにゴーサインが出たのです。旅の決行です!

Patrick、Sean、Joeの3人が、ブリティッシュコロンビア州の伝説の川、ディーン川でフライをスイングする様子を、Patrick自身の目線でお届けします。

「Welcome to Bella Coola Valley」の木製看板
川岸のボートの横で準備をするアングラーたちとガイド

1日目

私たちはバンクーバー国際空港(YVR)の中にあるフェアモントホテルに泊まっていたので、乗り継ぎはとても楽でした。10分ほどのシャトルでサウスターミナルへ移動し、ディーン川へ向かうほかの宿泊客数名と一緒にチャーター便に乗り込みました。ベラクーラまでのフライトは美しく、ギザギザの山々やフィヨルド、そして川のように見える氷原の上を飛んでいきました。ポーラーベア・ピークとブラックフライ・ピークの間へと降下し、木々に覆われた峡谷の壁の奥深くを縫うように飛んで滑走路へ向かうあたりは、スリル満点でした。空気は澄みわたり、風は穏やかでした。

ヘリコプターの順番を待つ間、ベラクーラのコーディネーターのCarolineが道の先まで連れて行ってくれて、コーヒーと軽い朝食をとりました。ハーゲンスボーグの地元の人たちと交流し、近くの小川でチャムサーモンを眺めました。ヘリコプターでの移動は壮観で、スティールヘッドの聖地へ向かっているのでなければ、こんなにすぐ終わってほしくないと思ったほどです。高度約5,000ft(約1,500m)で山々の間を飛び、最高で10,000ft(約3,000m)に達しました。草原の数百フィート上を飛んでいたかと思えば、次の瞬間には眼下数千フィートの谷底に川が見える。この飛行は、どんな写真や映像でも伝えきれないと思います。

ロッジに到着すると、オーナーのBilly Blewettとガイドたちが出迎えてくれました。キャビンに案内されると、私たちは急いで身支度とタックルの準備を済ませ、釣りに出かけました。私たちのボートは下流のビートで、担当は新人ガイドのDylan。彼にとってはこれが正式なガイド初日でした。天気は灼熱(95°F/約35℃)で、川はミルキーな緑色でした。明るく暑いコンディションにもかかわらず、3人とも最初のディーン川のスティールヘッドに出会うことができました。その夜キャンプに戻ると、ほかのスタッフや宿泊客ときちんと顔を合わせ、一緒に食事を楽しみました。

川に立ちこんでロッドを曲げ魚とやり取りするアングラー
ボートに並べられたスペイロッドと夕日に輝く川面

2日目

正式な気温は聞きませんでしたが、Billyが40℃がどうのこうのと言っているのが聞こえました。もしそうなら、華氏で約104°Fです。川はこの日もミルキーグリーン。上流のビートをTealと一緒に釣りました。Tealは世界クラスのスキーヤーで、2018年冬季オリンピックのスロープスタイルで5位に入賞したそうです。この冬もカナダ代表として出場する予定とのこと。22ft(約6.7m)の木製ボートで岩だらけの急流を上り下りする彼の腕前には、全幅の信頼を置けました。

この日も、深く、ゆっくりと釣る地道な努力が必要でした。たとえば私は、SageのエンジニアのPaulからもらった8136-4のプロトタイプを使っていました。ラインは600グレインのSkagit Max Powerに15ft(約4.6m)のT-14、そしてウェイト入りのフライです。3人とも魚には出会えましたが、理想的なコンディションで語られるような数ではありませんでした。

ボートに座るライフジャケット姿のアングラー
青空の下、森に囲まれて流れるディーン川

3日目

この日はガイドのPaulと中流のビートを釣りました。やはり暖かい日でしたが、雲が出てきて少し日差しを遮ってくれました。川の色はこの旅で一番よく、ミルキーさよりも緑が勝っていて、釣果も最高の一日になりました。私にとって最も思い出深い2尾に出会ったのもこの日です。1尾目はスティールヘッド。私は遠投が必要なテールアウトをスイングしていました。下流には流木の根が積み重なり、その手前に深いポケットがあったので、立ちこめる範囲の一番下にいました。このテールアウトではすでに1尾を釣っていました。次の魚は下流に向かってフライをくわえたので、いきなりリールからラインが引き出されていきました。ところが、この魚は止まらないのです。ドラグを7.5から8.5に上げても、まったく意に介さない様子。むしろさらに強く引いているようでした。最初の白波に差しかかったところで、ありがたいことに魚は急流を下らず右へ曲がってくれました。私はすでに、魚がプールを出たら流木をどうよじ登るか算段していたところでした。魚はこのとき300ft(約90m)以上先にいて、フライからバッキングノットまでは441ft(約134m)しかありませんでした。魚は手前の岸際深くまで泳いでから、向きを変えて一気に私のはるか上流へと駆け上がりました。なんとか寄せて手元に取り込み、近くで見ようとひざまずきました。尾の付け根をつかみ、ロッドを置いてフライに手を伸ばしたそのとき、魚が体をしならせて跳ね上がり、私のあごに頭突きを食らわせたのです。魚は私の胸に当たって跳ね返り、テールアウトの方へ泳いでいきました。2度目に寄せたときに、なんとか写真を1枚撮って放すことができました。せいぜい10lb(約4.5kg)ほどの魚でしたが、これまで出会った中で断トツに強く、執念深いスティールヘッドでした。

この日の最後に、私は「Pat's」というラン(私にちなんだ名前ではありません)を釣っていました。シューティングラインをすべて手繰り終えたところで、ずしりと重くなりました。持ちこたえようとしたのですが、ラインが鋭く滑り出し、足元に溜めていたランニングラインの束が跳ね上がってロッドを越えてしまいました。一部は私の背中側に回り込み、ウェーディングスタッフのホルダーに引っかかってしまいます。魚は速くはないものの確実に泳ぎ去っていくので、私は自分の体やロッド、リールに絡みついたラインを急いでほどきにかかりました。なんとかほどいて引き寄せにかかると、魚はすぐにバッキングまで引き出し、私は追いかけなければなりませんでした。話を先に進めると、最終的に35lb(約16kg)のキングサーモンを取り込みました。あの8136-4のプロトタイプの力をすべて使い切った一尾でした。

砂浜ではグリズリーとオオカミの足跡を見つけ、ここがいかに野生の地であるかを思い知らされました。夕食後、3人でウェットウェーディングしてキャンプ前の水域を釣りながら、黒い雲が押し寄せて雨が降り始めるのを眺めました。その夜は一晩中土砂降りでした。

ネットの中のスティールヘッドとピンクのフライ
川辺でフライボックスを手にするアングラー

4日目

その夜眠りについたときは、金属の屋根を打つ雨音が川の音をかき消していました。ところが朝起きてみると、まだ激しく雨が降っているのに、聞こえるのは荒れ狂う川の音だけでした。川の水位が大きく上がり、ボートのそばに置いてあったロッドがすべて流されそうになっていたのです。幸い、ガイドの一人が様子を見に行ってロッドを救出してくれました。燃料タンクも救出しなければならず、ボートはロッジの近くまで引き上げられました。この日は釣りをあきらめてロッジにこもり、ガイドやスタッフと一緒にフライを巻いて過ごしました。

川岸でロッドを大きく曲げて魚とファイトするアングラー
川岸で大型のキングサーモンを取り込む二人のアングラー
ロッジのテーブルでフライを巻くアングラーたち

5日目

川はひどい状態でしたが、私たちは全員、釣りがしたくてたまりませんでした。私たちのグループは再び上流のビートへ向かい、主要な支流(サクムサ川)がディーン本流よりもずっときれいに流れていることを発見しました。JoeとSeanは、フライが見えるくらい水が澄んでいた合流点でスティールヘッドを1尾引き出しました。私たちの区域の残りの水は濁りがひどく、それ以上の釣果は望めませんでした。

旅の間、私たちはさまざまなリグを試しました。8136-4 プロトタイプ、8136-4 Igniter、8130-4 X、7140-4 X、7136-4 One、7136-6 SONIC、7130-4 X、7120-4 X、6139-4 X。これで各自が3本のロッドを使い分けられました。重めのドレッジャー(深場を攻めるセッティング)、中くらいのドレッジャー、そしてスケーター/ライトなセッティングです。大きく広いランで障害物が少ない場所では、マルチデンシティのヘッドが一番でした。一方、岩の多いランではフローティングヘッドのほうが操作しやすいことがわかりました。RIOの最新のPowerflex Ultra Shooting Lineを使わせてもらう機会にも恵まれました。私は旅の間ずっとこれを使っていましたが、ちょっとした絡みが1度あっただけ。これまで使った中で最高のシューティングラインでした。

私たちはRIOのフライだけを使い、水況を考えて、主に大きなパターンを使いました。一番釣れたのはRIO's AnimalとRIO's Pay Dirt。次いでRIO's CCFCCPとRIO's Prawn Joviでした。RIO's Hare SnareとRIO's Ghostbuster Shrimpも大事な場面で活躍し、String Leech、Marabou Tube、Bunny Tubeも同様でした。RIO's Steel Plowは何尾ものスティールヘッドを浮かせましたが、1尾もフライに触れることはありませんでした。ピンク/オレンジのような明るいカラーが、私たちにとっては圧倒的に効果的でした。1週間で、3人合わせてスティールヘッドは25尾掛けて13尾をキャッチ、サーモンは9尾掛けて9尾すべてをキャッチ(ピンクサーモン3尾、キング6尾)だったと思います。

この旅は私にとってまさに「バケットリスト(一生に一度はやりたいこと)」の機会であり、これからも大切にしていく思い出です。

森を背に広い流れでスペイキャストするアングラー
逆光の中、川の瀬に立ちこむアングラー

原文:RIO IN ACTION - Dean River(RIO Fly Designer Patrick Kilby/RIO・Far Bank Enterprises、2021年10月4日)
写真:RIO・Far Bank Enterprises
日本語訳:Fly Fishing Outfitters WALTON

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