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平原を流れるアラスカ半島の川の風景

TIPS & TRICKS

アラスカ半島のキングサーモン

Jason Hartwick2016年9月2日

チヌーク、別名「キング」サーモンは、ロッドとリールで追うことのできる淡水の魚の中でも、最も価値ある獲物のひとつです。カリフォルニアから北はアラスカまで、キングは多くの川で産卵のための遡上を始めると、大いに狙われる存在になります。

子どもの頃、私は幸運にもサクラメント川のほとりで育ち、川を遡るあらゆる遡河性の魚を追いかけていましたが、最高の獲物はいつもキングサーモンでした。初秋には、通りを歩いて堤防を越えれば、#5のBlue Foxスピナーでほぼ毎日、制限数(2尾)のチヌークサーモンを掛けられたものです。ときどき叔父や近所の人のボートに誘われて、イワシを巻き付けたKwikfishで大型のキングのバイトを狙うこともありました。高校生になると、アメリカン川やフェザー川といった地元の他の川で、フライでキングを狙い始め、釣果も上げていました。従来のギアでもフライでも、どう狙うかは関係なく、この魚を追うことには中毒性があるようでした。

そんなわけで6年前、アラスカ半島で働くことになったとき、そこでのキングの遡上や釣りがどんなものなのか、まったく見当がつきませんでした。知っていたのは、アラスカ州で最も西にあるキングの遡上だということと、周りにはほとんど人がいないということだけです。初めて半島へ飛んだとき、この魚が棲む小川や川の多さと、周辺にいくつもある活火山に圧倒されました。半島での最初のシーズンを終えて、この場所が本当にどれほど特別かを実感しました。スイングするフライにうってつけの川や小川に、キングサーモンがあふれていたのです。アングラーは毎日フライでキングを掛け、しかも1尾や2尾ではなく、良い日には2桁を掛けることもありました。人の影響がほとんどなく、魚の遡上も力強い場所でキングサーモンをフライで狙えば、常に確率は上がります。半島でのキング最初のシーズンについて決して忘れられないのは、魚が釣れない日が1日もなかったこと、そしてキングが30ft(約9m)もフライを追いかけてきて、水面近くで引き波を立てながら食いつくのを初めて見たことです! 最高にクールでした!

草原の崖から見下ろす、海へ注ぐ河口

多くのアングラーがアラスカでのフライによるキングサーモンを思い浮かべるとき、頭に浮かぶのは、川に何週間もいて濃い赤色に染まった大きな魚で、たいていは多くのアングラーがトラウトを釣っている川の上流で釣られるものでしょう。T-17の重いシンクティップや24〜30ft(約7〜9m)のシューティングヘッドで大きなフライを投げる釣りです。一方で、海に近いところで、クロームのように銀色に輝き、シーライス(海ジラミ)が付いたままの魚が釣れる川も数多くあります。私にとって、フライで釣る最高のキングとは、淡水に入ってから数日以内の、海に最も近いところで釣れる魚です。この獣たちが強さとパワーを見せつけるのは、まさにそこなのです。半島でのキング釣りの特徴は、私たちが常に海の近くで、潮に乗って入ってきたばかりの魚を、軽めのシンクティップとウェイトなしのフライで追っていることです! これ以上のことがあるでしょうか?

緑の丘に挟まれた砂利の川岸と川に立つアングラー

半島で働き始めて2年ほどのうちに、アラスカ州ではチヌークの遡上の崩壊が見られ始めました。ケナイ川、ヌシャガク川、カネクトク川といった州内で最も有名なチヌークの川のいくつかが、遡上数の少なさからキング釣りを禁止されることになりました。半島の一部の川でも、商業的なベニザケ漁がキングの遡上に影響を与え、少しばかりその影響が見られ、私たちのホームリバーのひとつも短期間閉鎖されました。キング釣りは許可されていましたが、それは科学調査のためだけでした。キングのガイドを続けることはできましたが、それは州で最も人気のあるスポーツフィッシュのひとつに何が起きているのかを突き止めるため、州のDNAサンプル収集に協力するためだけでした。半島のいくつかの川ではこの6年ほどでキングの遡上数が減りましたが、それでもケナイ半島やブリストル湾で起きていたこととは比べものになりません。商業漁業の影響か、乱獲か、それとも単に海の状態が悪かったのか? 誰にもわかりませんが、皆それぞれの推測を持っていました!

とはいえ、アラスカ半島を特別な場所にしているのは、魚も川も人間の影響をほとんど受けていない手つかずの場所の多さです。厳しい気象条件、困難な移動、そして人の少なさが、これらの川と魚の遡上を存続させているのです。アラスカのほとんどの地域でキングの遡上が少なかったときでさえ、半島にはまだいくつか繁栄を続け、今もチヌークサーモンの良好な数が見られる場所がありました。

今年も例外ではなく、半島の2つの川では、私がこれまで見た中で最高のキングサーモンの遡上だったかもしれません。シーズンは通常、最初の1週間はゆっくり始まり、最後の1週間には先細りになって、掛かる魚はほんの数尾ということもあります。しかし今シーズンは違いました。始まりも終わりも大盛況でした! 魚は潮の届く下流域の近くだけでなく、上流から下流までびっしりと溜まっていました。魚がぎっしり入っていないランを見つけるほうが難しいほどでした。この地域にいる数少ないガイド、アングラー、キャンプにとって、素晴らしい釣りとガイドができたシーズンです。しかも数だけの話ではありません。今シーズンはとんでもない大物も目にしました。ほとんどの魚は10ポンド台半ばで、30ポンド(約13.6kg)を超える魚はごくわずかです。ところが今年は大物がたくさん出て、「ツンドラ川」でこれまで見た中で最大の、40ポンド(約18kg)を超えるものまでいました。本当に特別なことです!

川に膝をつきキングサーモンを支えるアングラー
川に立ちキングサーモンを掲げるアングラー

シーズンのハイライトのひとつは、数年前に地元の北カリフォルニア沿岸でガイドをさせてもらったご夫婦を、またガイドできたことでした。そのときは素晴らしいウィンタースティールヘッドの釣りになり、二人からキングをスペイで釣るのに最適な場所について尋ねられました。私は自分が働いている半島のこと、そしてスキーナ地域もトップクラスの場所であることを話しました。BC州やアラスカの他の場所へ何度か足を運んでもほとんど、あるいはまったく釣果に恵まれなかった二人は、今年ついに半島へやって来て、とんでもない釣行を経験しました。初日だけで、二人ともそれまでの他の場所での3回のキング釣行で掛けた数よりも多くの魚をランディングし、それが一週間ずっと続いたのです。旅をしてフライフィッシングをする人にとって、天候や釣りには多くの要因が関わってきます。どうも「外れ」を引いたり、厳しい釣りになったりすることのほうが多いように思えます。でも、一生に一度の釣行に巡り合えたとき、それまでのすべてが報われます。MarcとGinaと一緒にその瞬間を味わえたのは、本当に素晴らしい経験でした!

いつも「絶好調」というわけではありませんが、半島は、たとえ厳しい釣行でも、おそらく数尾のキングは掛けられる場所です。私が毎年6月と7月に北のアラスカ半島を目指し、これからもそうし続けるのには理由があります。移動の困難さや悪天候にもかかわらず、決して色あせることのない魔法のような場所のひとつなのです。そして、川の詳細や名前を知りたい方へ。これ以上注目を集める必要のない場所もあります。しっかり下調べをすれば、見つけ出すのはそれほど難しくありませんよ!

川に膝をつきキングサーモンを手にするアングラー
河口の浅瀬でキングサーモンを持つアングラー

原文:Alaskan Peninsula Kings(Jason Hartwick/RIO・Far Bank Enterprises、2016年9月2日)
写真:RIO・Far Bank Enterprises
日本語訳:Fly Fishing Outfitters WALTON

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