最初にお断りしておくと、私はソルトウォーターのプロなどではまったくありません。せいぜい初心者といったところです。ソルトのガイドを雇ったのは、プエルトリコでターポンを狙ったときの一度きり。それ以外のソルトの経験といえば、家族旅行のときにビーチからサーフフィッシングをしたくらいです。それでも、しっかりリサーチをして、そこに運が味方してくれれば、初めての釣り場への旅でも大きな成果につながるものです!
この夏、夫と私はメイン州へ出かけ、ストライパー(ストライプドバス)を狙いましたが、残念な結果に終わりました。どうやら2か月も出遅れていたようです。それでも楽しかったですし、キャスティングの練習にもなりました。その帰り道、釣れた魚(ブルックトラウト!)や、ストライプドバスでの失敗を振り返りながら、手頃な予算でソルトウォーターの釣り旅を企ててみようということになったのです。
リサーチを重ね、友人たちと意見を交わしながら、もう一度ストライパーに挑戦するか、それともまったく違うことをして、フロリダキーズでボーンフィッシュとターポンを狙うか、あれこれ迷いました。そして夕食の席で(カクテルを何杯か飲みながら)決まりました——3週間後には、キーズでソルトウォーターの獲物を狙うために出発することになったのです。

この旅に向けて釣りの情報を調べ始めたとき、私はかなり落ち込みました。どのフォーラムを読んでも、人に直接聞いてみても、みんな「ガイドを雇いなさい」と言うのです。ガイドを雇うこと自体に反対ではありませんが、私たちの予算は厳しく、しかも私はどうしても自分たちの力で魚を釣りたかったのです。フロリダキーズのフライフィッシング情報を深掘りしていくうちに、カヤックをレンタルしてフラットへ漕ぎ出し、回遊するボーンフィッシュやターポン、さらにはパーミットまで見つけている人たちがいることを知りました! カヤックのレンタルは、特にスキフと比べればたいてい安上がりです。そこで私たちは、フィッシングカヤック2艇を3日間レンタルする予約を入れました。
ニューヨークから22時間のドライブを経てキーズに到着すると、私は少し圧倒されてしまいました。何にかというと……水にです。とにかく、ものすごい量の水なのです。事前にGoogle Earthでかなり下調べをしていましたが、それでも自分が正しいポイントを選べたのか、あまり自信はありませんでした。
水上での最初の1日半は散々でした。釣れたのはマングローブスナッパー数尾と小さなバラクーダ、そのほか狙いのリストには入っていない小型の魚ばかり。この間はキャンプ場の近くにとどまり、いくつかのフラットを釣りましたが、思っていたよりも少し水深がありました。たくさん釣れたわけではありませんが、新しいエリアを漕ぎ回り、サメやウミガメを眺め、太陽に焼かれながら、それはもう楽しい時間を過ごしました。その夜の夕食の席で、人気のビーチから離れた、もっと人目につかないエリアを狙ってみようと決めました。
2日目、私たちは大物を迎え撃つ準備万端でした。前の晩にはバラクーダの群れを相手に、ホールやストリップセットの練習をしておきました(フラットでストリーマーの釣りを練習するのにもってこいの方法です。特にストリップセットは、トラウトフィッシャーである私がいちばん苦手とするところです)。2日目は早起きして、マングローブの岸辺に囲まれた人目につかない小さなエリアを目指しました。そこには、ランチ(出艇場所)から2マイル(約3.2km)漕いだ先に、見るからに素晴らしいフラットがあるのです。そのフラットにはボーンフィッシュがいるか、ひょっとしたらターポンが回遊してくるのではないか——そんな予感がしていました。
日の出とともにランチに着くと、そこは枯れた海草で覆われていました。ボートを降ろしていると、地元の釣り人がスキフを出しにやって来て、私がまさに漕いで行こうとしていたフラットで釣ったボーンフィッシュやパーミットの話をし始めました。ボーンフィッシュを追いかける準備は完璧に整いました。
あれほど素早く釣り道具を準備したことはありません。9番のPREDATORロッドにボーンフィッシュ用のリーダーをセットし、ボーンフィッシュ・ビターズというフライを結びました(名前に「ボーンフィッシュ」と入っているのだから、効くに決まっていますよね?)。夫を置き去りにして、分厚く悪臭を放つ海草をかき分けて進み、あのフラットを目指して漕ぎ出しました。ずっと待ち焦がれていた、腹を空かせてドラグを鳴らすボーンフィッシュたちが待つ、あの輝かしいフラットへ。

漕ぎ出して数分後、Derekが私の名前を叫ぶのが聞こえました。「Payton! Payton!! そこらじゅうで魚が跳ねてる! ターポンだ! ターポンに違いない!」。なぜかはわかりませんが、ターポンはまったく予想していませんでした。頭の中はボーンフィッシュのことでいっぱいだったのです。振り返ってみれば、そこは居着きの若いターポンがいるには絶好の場所でした。海草のカバーがたっぷりあるマングローブの岸辺に隣接した、深い水路だったのです。振り返ると、あたり一面にターポンがいて、水面を割り、空気を吸い込んでいました。漕ぎ出すとき、どうしてこの魚たちに気づかなかったのでしょう?
私が彼のほうへ漕ぎ戻り始めたとたん、Derekが大きなターポンを掛けました。大きな白いスイムベイトを付けたスピニングロッドで、ほんの数投目のことです。ところが、掛かったのと同じくらいあっという間に、魚は外れてしまいました。この時点で、今日は——そしておそらく旅の残りの日も——この魚を狙うことになると確信しました。
私は大慌てでターポン用のリーダーをセットし、9番ロッドにRIOのドレッド・パイレーツというフライを結びました(この状況なら10番か11番をおすすめしたいところですが、結果的に9番でも完璧に機能し、大きめの魚相手でも十分に渡り合ってくれました)。魚が水面で捕食しているのが見えたので、このフライは、海草に引っかかることなく水面直下を少し探るのにぴったりの選択でした。さらによく観察すると、ターポンは海草の中に潜むエビやカニを食べていることがわかりました。

そこからの45分ほどは、まさに大混乱でした。2人とも2〜3尾の魚を掛けたものの、1尾もランディングできなかったのです。Derekはスピニングロッドでは太刀打ちできないと悟りました。フライなら軽いので、ウィードにそれほどひどく引っかからないのです。そこで彼は8番のVICEロッドに持ち替え、ターポン・トードを投げ始めました。この最初の時合いが過ぎると、魚の活性は下がったようで、水面に出てくることも少なくなりました。大騒ぎが落ち着いたところで、私たちは互いに近くまで漕ぎ寄り、作戦を立てました。ウィードベッドの中のポケットではなく、ウィードベッドの縁にいる魚を狙うべきだ、と。深いカバーの中で魚を掛けると、魚は手近でいちばん濃いウィードの中に潜り込み、最終的には自力でフックを外してしまっていたのです。
作戦を立て直して、再び釣りに戻りました。魚の動きは鈍くなっていましたが、まだそこにいました。カヤックからのキャストは簡単ではありません。Derekは立ってキャストできましたが、私はボートの上でそこまで器用に立ち回れなかったので、座ったままキャストしました。最初の1時間ほどでそのリズムをつかみ、最終的にはかなり正確にキャストできるようになりました。

そしてついに、これならランディングできると確信できるターポンを掛けることができました。開けたエリアで背ビレが水面から突き出たのを見て、魚の顔があると思われる位置の1ft(約30cm)ほど前にキャストしました。ゆっくり2回ストリップすると、魚がフライの後ろで水を押しているのが見えました。完全にハンティングモードです! もう1回ストリップすると、魚はフライをひったくって走り出しました。ずっと練習してきた完璧なストリップセットが、ついに決まったのです。
この魚は私たちに見事なショーを見せてくれました。ドラグを引き出し、長く速いランを何度か見せ、おなじみのターポンのアクロバットショーも披露してくれました。2人で協力してボートの脇まで寄せ、ようやく魚をコントロールできました。35インチ(約89cm)ほどのジュベナイル(若い)ターポンで、カヤックでランディングするにはちょうどいいサイズでした! 手早く写真を何枚か撮って、魚を海へ帰しました。大成功! ターポンを釣ったのです!
この1尾には、これ以上ないほど大満足でした。その後もお昼ごろまで数時間ターポンを狙い続けました。何度もヒットはあったものの、ランディングには相変わらず苦戦しました。私はとても小さなジュベナイルを1尾、ひとりで取り込むことができました。そしてここからは、Derekに初めてのターポンを釣らせるのが私たちのミッションになりました!
その朝、彼も何尾か掛けていたのですが、どうしてもフックが掛かり切らないようで、ボートからほんの数インチのところでフックを吐き出されたことも何度かありました。翌朝も同じ場所に戻って、彼に1尾釣らせようと心に決めていました。翌日は旅の最終日。プレッシャーがかかります。
翌朝、私たちは再び同じ場所に戻りましたが、魚はどこへ行ったのでしょう? 水面はこれ以上ないほど穏やかで、前日のように魚が動き回っている気配はありませんでした。結局、同じ群れがどこか近くで捕食していることを期待して、キーの周りを漕いで回ることにしました。単独で回遊している魚が何尾か見え、群れを探している途中で、そのうちの1尾をターポン・トードで釣ることができました。この旅で掛けた中でいちばん獰猛な魚で、ボートに寄せるまでとんでもないファイトを見せてくれました。この魚の後から、水面での動きがどんどん増え始め、午前10時ごろ、ついに大きな群れを見つけました。

そして再び大混乱が始まりました。あたり一面、魚だらけです。何百尾ものターポンが、私たちの周りで一斉に水面を割り始めました。Derekにとってのチャンス到来です。私が魚を見つけ、彼が完璧なキャストを送り込みます。いずれどれかが食うのは時間の問題でした。水面に出たばかりの魚に彼が完璧なキャストを決めると、魚はフライの後ろに引き波を立てて追い——ドカン、ヒット! 水面が開けていたので、この魚をランディングするには絶好の位置でした。壮絶なファイトの末、彼は魚をボートの脇まで寄せることに成功しました。写真を何枚か撮って、魚をマングローブへと帰しました。大成功!
この魚が釣れて、2人ともほっと胸をなでおろし、目標を達成できたという達成感に浸っていたと思います。その日の午後は残りの時間ずっとその群れの周りで釣りをし、何尾か釣り、それ以上に多くの魚をバラしました。結局、この旅で釣り上げたターポンは合計6尾。キーズの宣伝でよく見かけるような回遊性の巨大な魚ではありませんでしたが、狙うのが最高に楽しく、捕食も積極的な魚たちでした。
結局この旅では、ボーンフィッシュを釣るどころか、1尾も目にすることはありませんでした。何が起こるのかよくわからないままこの旅に臨みました。ほかのアングラーの成功談や失敗談はたくさん読んでいましたが、自分たちがその間のどのあたりに落ち着くのかは見当もつきませんでした。釣りの旅、特にソルトウォーターの旅では、柔軟であること、そして準備を整えておくことが大切だと思います。私はさまざまなソルトウォーターの魚種に対応できるよう準備していましたし、ターポンにとってはタイミングが良くないだろうと思っていたにもかかわらず、結局はそのターポンが私たちのメインターゲットになったのです。
DIYでソルトウォーターの釣り旅を計画しているなら、釣りをするエリアについて下調べをしておくことをおすすめします。どの魚種を狙うか、どんな魚が釣れるか、それぞれのポイントで何を探すべきかといった情報を得られる素晴らしい情報源はたくさんあります。私はリサーチの際、魚がいそうなフラットを探すのにGoogle Earthを大いに活用しました。地元の人たちも、情報を得るための素晴らしい情報源です。フライショップや釣具店で話をした人はみな親切で、最近の釣れ具合について気さくに話してくれましたし、試してみるべき良いポイントもいくつか教えてくれました。
ソルトウォーターの釣りを始めるのに、莫大なお金がかかるわけではありません。次のソルトウォーターの釣り旅は、思っているより安く実現できるかもしれません! しっかり下調べをして、釣り場をよく知り、安全第一で。ハッピー・フィッシング!

原文:DIY Tarpon on The Fly(Payton Hanssen/REDINGTON・Far Bank Enterprises、2024年2月21日)
写真:REDINGTON・Far Bank Enterprises
日本語訳:Fly Fishing Outfitters WALTON

User Name 2 Days ago
Lorem ipsum dolor sit amet, consectetuer adipiscing elit. Aenean commodo ligula eget dolor.