文:Allie Murphy(@a.m.u.r.p.h.y)
「じゃあね、マーフ! 大好きだよ!」
コロラドで働いていたフライショップを後にするとき、私の人生でいちばん大切な人たちから最後にかけられた言葉です。そこは私にとって「家」であり、同僚たちは家族になっていました。涙を浮かべ、「男子たち」の前で泣いてしまった自分に腹を立てながらドアを出たとき、頭の中には無数の思いが駆け巡りました。いちばん大きかったのは「いったい私、何やってるんだろう?」という思いです。まるで思いつきのような決断で、私はモンタナへ引っ越そうとしていました。

少し時間を巻き戻しましょう。私はコロラド州ボルダーに住み、Rocky Mountain Anglersで働いていました……地球上で最高のフライショップ、とでも言っておきましょうか! 州のあちこちで釣りをし、とびきり美しい景色を目にし、人生で最高の友人たちにも出会いました。コロラドはアメリカでいちばんイケてる州のひとつかもしれません。そこで暮らした3年ちょっとは、間違いなく人生でいちばん楽しい日々でした。では、なぜ離れることにしたのか? 魚に呼ばれていたし、タイミングも合っていたからです。
何年も前から、コロラドを出て北の「The Last Best Place(最後の最高の場所)」、つまりモンタナへ移ることを話していました。モンタナでは釣りやハイキング、探検でたくさんの時間を過ごしてきたので、なじみのある場所のように感じていました。それでも、それはいつも「いつかは」という大それた夢にすぎませんでした。そんな中、1月に父とアルゼンチンへフライフィッシングの旅に出かけ、その旅で私の人生は良い方向へと変わりました。ロス・アレルセス国立公園のリバダビア川を下っていたとき、「今こそモンタナへ引っ越すときだ」とその場で決めたのです。今やらなければ、もう二度とチャンスはないかもしれない、と。

南米のフライフィッシングの聖地でラフトに揺られながら、私は思いました。「北米のフライフィッシングの聖地に住みたくない人なんている?」……少なくとも私にとってはそうなのです。そして人生を変えたその旅から戻るとすぐに、次の便でモンタナ州ボーズマンへ飛びました。1か月も経たないうちに賃貸契約を結び、荷物をまとめ、「さよなら」を告げて北へ向かいました。実感が湧いたのは、タイヤがすり減った4WDでもないU-Haulのトラックに乗って、父の後ろを走りながら北へ向かっているときでした。ワイオミング州キャスパーのすぐ手前、気温は華氏1度(約−17℃)、視界ゼロの猛吹雪……あの疑問がまた頭をもたげました。「いったい私、何やってるんだろう?」。私を前に進ませてくれたのは、釣りのことを考える気持ちでした。そしてなんとか嵐を抜け、体感温度が華氏−15度(約−26℃)という日に、モンタナ州ボーズマンの新居にたどり着いたのです。
こちらに来て数週間、少しずつ落ち着いてきました。寒さをしのぎながら、どこで、何を使って、いつ釣るのか、情報を集める準備は万端です!
原文:Bozeman by Way of Argentina(Yakoda Supply、2018年4月15日)
写真:Yakoda Supply
日本語訳:Fly Fishing Outfitters WALTON

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