セントラル・オレゴンに何度か足を運んだあと、私は西へ移り住み、人生の次の章を始めようと決心しました。それまで実家から最も離れて暮らしたのは、せいぜい車で数時間の距離でした。この移住は、スノーキャット(雪上車)のドライバーとしてのキャリアを伸ばし、より大きな山で働くためのものでしたが、実のところは、スキーや釣り、マウンテンバイクがもっと楽しめそうだということで移住を正当化していたのです。
フィルムツアーに足を運んだり、フライフィッシング雑誌を読んだりする中で、スペイキャストとスティールヘッドの釣りにはずっと興味を持っていました。ノースカロライナで育った私は、主に地図の青い線をたどって小さなトラウトを追ったり、池でバスを釣ったりしていました。ベンドに着いてすぐ、キャストを覚えるためにスペイロッドを手に入れることにしました。デシューツ川には8月から魚が姿を見せ始めるので、ツーハンドの釣りを身につける時間はあまりありませんでした。空いている時間はすべて川で過ごし、キャストの仕方やスティールヘッドの付く流れの読み方を少しずつ身につけていきました。1〜2週間ほどもがいていると、何人かの友人がキャストを手伝ってくれ、スティールヘッドをスイングで狙う際に見るべきポイントを教えてくれました。


アタリひとつないまま数週間が過ぎました。ましてやグラブ(引ったくるようなアタリ)などありません。スティールヘッドのスイングの釣りにつきものの心理戦が始まり、なぜグラブすらなく、魚を手にすることもできないのか、その理由をあれこれ考え始めました。飛距離が足りないのか、フライの色が違うのか、日差しが強すぎるのか、それとも入っているランが悪いのか。川へ向かう前の家での習慣まで変えてみたほどです。そしてある日の夕方、ついにその時が来ました。日も傾き、私はすでに「今日もゼロか」という気分になっていました。魚が付くことで知られる——少なくとも私はそう聞かされていた——ランをスイングしながら、その日は何がいけなかったのかと考え始めたそのとき、突然ラインが張り詰め、私のフライをくわえたスティールヘッドが水面から飛び出したのです。グラブから、魚が水面を飛び出し、最後に川へリリースするまで、すべてがあっという間の出来事でした。小さく銀ピカのハッチェリー(放流)魚で、大きくもワイルドでもありませんでしたが、それが私とスティールヘッドとの初めての出会いでした。それ以来、スイングしたフライでスティールヘッドを追うことにすっかり夢中になっています。
デシューツ川のサマースティールヘッド
デシューツ川は、どんなスペイアングラーの腕も試す川です。川幅は広く、毎日決まったように風が吹きます。しかし魚は積極的で、サーフェスフライやクラシックパターンにも食ってくるため、ここでスティールヘッドを狙うなら6126-4のCHROMERが定番のロッドになります。このロッドは、条件が許せば繊細なパターンに合わせたスカンジスタイルのラインを投げられる一方で、寒い時期にはシンクティップ付きのスカジットヘッドを投げられるバックボーンも備えています。
あの出会いだけでは満足できず、私はすでに次の魚をどう見つけるかを考えていました。ただの魚ではなく、ワイルドの魚です。ワイルドの魚を手にするには腕と同じくらい運も必要だとわかっていましたが、初めてのスティールヘッドの感動を超えるには、ワイルドの魚を釣るしかありませんでした。次の出会いまでには、さらに数週間、魚の釣れない日々が続きました。川でも特に有名なランのひとつに立っていたとき、2度目のグラブが来ました。今度のグラブはより重く、ラインがリールから出ていく速さも違いました。最初の魚より大きいとすぐにわかりました。またしても気づいたときにはファイトは終わっていて、仲間が魚のテールをつかんでくれていました。ついに、初めてのワイルドスティールヘッドを手にしたのです。スイングしたフライで、このとらえどころのない魚をついに捕らえることができました。手早く写真を撮ったあと、水に帰しました。


写真:Austin Leonard
その日はそれ以上キャストしませんでした。岸に上がったあと、幸運にも仲間のラインが張り詰めるのを見届けることができ、短いファイトの末、彼がその日2尾目の魚を手にしました。自分がワイルドの魚を釣っただけでなく、仲間が魚を掛けて取り込むところを見られたのは本当に特別なことでした。グラブが1回あるだけの日よりも、魚の気配すらない日のほうがはるかに多いのですから、1日に2尾を手にできたのは格別な出来事でした。
初めてのスティールヘッド、そして初めてのワイルドスティールヘッドを手にしたことは、どちらも忘れられない経験です。そのシーズンは、さらに3尾を手にして締めくくりました。スイングでスティールヘッドを狙うのは、この魚に出会う最も効率の良い方法ではないかもしれません。それでも、この魚を追いかけて過ごす日々と、良き仲間と水辺で分かち合う時間が、すべてをより楽しいものにし、一尾一尾をいっそう忘れられないものにしてくれるのです。


原文:First Steelhead(Drew Fuller/REDINGTON・Far Bank Enterprises、2019年9月3日)
写真:REDINGTON・Far Bank Enterprises(一部写真:Austin Leonard)
日本語訳:Fly Fishing Outfitters WALTON

User Name 2 Days ago
Lorem ipsum dolor sit amet, consectetuer adipiscing elit. Aenean commodo ligula eget dolor.